箱根の旅館で3ヵ月のリゾートバイト

リゾートバイト体験談
リゾートバイト体験談 ― 箱根で過ごした忘れられない日々
こんにちは。
今回は、私が体験した箱根でのリゾートバイト(レストランホールスタッフ)についてお話しします。
これからリゾートバイトに挑戦しようと思っている方や、興味があるけれど不安という方の参考になれば嬉しいです。
■ 箱根を選んだ理由と魅力
私が働いていたのは、神奈川県の有名な温泉地「箱根」です。
東京や横浜などの大都市からもアクセスがよく、「自然に囲まれながらも都会に近い」という絶妙な立地が魅力でした。
箱根湯本駅から小田急線を使えば、新宿まで約2時間。
そのため、休日には気軽に東京へ日帰りで遊びに行くこともできます。実際、私も休みの日に友人と横浜でショッピングしたり、映画を観に行ったりしていました。
温泉街で働きながらも、少し足を延ばせば都会の空気を感じられるのは、箱根ならではのメリットだと思います。
ただし、その“便利さ”が落とし穴にもなります。
休みのたびに東京へ行っていると、ついつい出費が増えてしまい、「あれ? 思ったより貯金できてない!」ということにもなりかねません(笑)。
そのため、「稼ぐために来たのか、遊ぶために来たのか」をしっかり意識して過ごすのが大切だと思いました。
■ 高時給でしっかり稼げる環境
リゾートバイトといえば、時給1,000円前後が平均ですが、箱根は観光地として人気が高い分、時給が高めに設定されているところが多いです。
私の場合は、時給1,200円をいただいていました。
忙しい時期は残業もあり、月によっては25万円以上稼げたこともあります。
また、寮費・光熱費が無料で、食事も支給されるため、出費がほとんどないというのも大きな魅力でした。
普通のアルバイトだと家賃や交通費でかなり引かれてしまいますが、リゾートバイトは「働いた分がそのまま貯金になる」感覚です。
実際、私は3か月でかなりの額を貯金することができました。
■ 外国人のお客様が多い職場環境
箱根は世界的にも有名な観光地です。
そのため、外国人観光客がとても多いのが特徴です。
私が働いていたホテルでも、宿泊客の半分以上は外国人で、時期によっては8割を超えることもありました。
主に中国・台湾・韓国からの旅行者が多かったのですが、ヨーロッパやアメリカ、オーストラリアなど、世界中からのお客様がいらっしゃいました。
私は英語が少し話せたので、外国人のお客様の接客を担当することが多く、「英語でコミュニケーションを取る」という貴重な経験を積むことができました。
最初は緊張しましたが、「Thank you!」「Delicious!」と笑顔で言われるたびに、自分の英語がちゃんと通じたことに嬉しさを感じました。
言葉が完璧じゃなくても、笑顔と丁寧な態度で伝わることが多く、「接客は言葉だけじゃないんだ」と実感しました。
■ シフトと仕事の流れ
私の勤務は、朝と夜の2部制――いわゆる中抜けシフトでした。
朝6時半に出勤して、朝食の準備とお客様の案内、片付けを担当。
その後は昼前に一度仕事を終えて、14時頃までの長めの休憩(中抜け時間)に入ります。
この時間をどう過ごすかが最初の課題でした。
最初のうちは、何をしていいかわからず部屋でぼーっとしていましたが、だんだんと慣れてきて、温泉に入ったり、散歩したり、カフェで動画を見たりして過ごすようになりました。
この“ゆるい時間”が、今となってはすごく贅沢だったと思います。
夕方からはディナー対応。お客様を席にご案内し、料理を運び、ドリンクを提供するのが主な仕事です。
最初は料理名を覚えるのにも苦労しましたが、慣れてくるとスムーズに動けるようになり、「笑顔がいいね!」とお客様から声をかけていただくことも増えました。
レストランのスタッフ同士のチームワークも良く、忙しい中でも冗談を言い合いながら楽しく働けました。
■ 大変だったこと・感じたデメリット
もちろん、良いことばかりではありません。
まず、箱根は一年中忙しいという点です。
温泉地なので季節を問わず観光客が訪れ、特に土日祝日は常に満室。
朝から晩まで慌ただしく動き続ける日もありました。
また、観光地のため周辺の飲食店は値段が高め。
「今日は外でご飯食べよう」と思っても、観光客向けのレストランばかりで、安く食べられるお店は少なかったです。
さらに、夜遅くまで営業しているお店もほとんどないため、仕事終わりに外食する機会はあまりありませんでした。
それでも、勤務先のホテルでは賄いの食事が毎日2食支給されていたので、基本的に食費の心配はありませんでした。
お味噌汁や煮物など、家庭的な料理が多く、温かい食事をいただけるのが本当にありがたかったです。
■ 自分なりに感じた成長
最初の1〜2週間は正直「無理かも」と思いました。
体力的にも精神的にも大変で、慣れない環境に戸惑う日々。
けれど、1か月経った頃には「お客様が笑顔で食事を楽しんでいる光景」を見るのが心から嬉しくなっていました。
英語で注文を取れた時の達成感や、「あなたのサービスが良かった」と言われた時の喜びは、何ものにも代えがたい経験です。
また、中抜けの時間をうまく使ってリフレッシュできるようになったり、自己管理能力も自然と身につきました。
体力もつき、人と話すことへの自信も増えました。
■ これからリゾートバイトを考えている人へ
もしこれからリゾートバイトをしてみようと思っている人がいたら、箱根はとてもおすすめです。
外国人のお客様が多いので、語学を活かしたい人・海外文化に触れたい人にはぴったりの環境です。
逆に、「英語が苦手」「人前に出るのが苦手」という方は、裏方の仕事(清掃・洗い場・調理補助など)を選ぶといいと思います。自分に合った働き方が必ず見つかります。
そして、箱根のような人気エリアは「忙しい=学びが多い」場所です。
忙しさの中で自分を鍛えたい、成長したいという人にこそ向いていると感じました。
■ 終わってみて感じたこと
3か月という短い期間でしたが、本当に濃くて学びの多い時間でした。
仕事を通じて、自分の弱点や強みを知り、成長を実感できたこと。
そして、全国から集まった仲間たちとの出会い。
一緒に働いて笑い合った日々は、今でも大切な思い出です。
リゾートバイトは、「ただのお金稼ぎ」ではなく、自分の可能性を広げるチャンスです。
都会の喧騒を離れ、自然の中で働き、人と出会い、異文化に触れる。
そんな経験を通して、人として少し成長できた気がします。
もしあなたが今、迷っているなら、思い切って一歩踏み出してみてください。
きっと、あなたにも忘れられない時間が待っています。

